Let Me Live (QUEEN)

ボヘミアン・ラプソディ』が公開されて以降、QUEENの人気が再燃しました。今回は彼らの隠れ名曲、Let Me Live の背景を概観した後に、本楽曲の和訳を行っています。

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背景

アルバム Made in Heaven (1995)に収録され、翌年シングルカットが発売、イギリスではシングルチャート最高9位を記録しました。リードボーカル

1コーラス目:フレディ・マーキュリー

2コーラス目:ロジャー・テイラー

3コーラス目:ブライアン・メイ

がそれぞれ担当しており、QUEENの3名*1が1曲中で全員リードボーカルを務める唯一の作品です。

 

死後に発表された曲であり、タイトルや歌詞も死に直結するものであるため、「余命いくばくもないフレディ・マーキュリーが終末期に作成した」楽曲と思われがちですが、AIDS発症以前の1983年に、ロッド・スチュワートと共同で本楽曲のデモ・レコーディングを行っていたことが明らかになっています。

 

ロッド・スチュワートと共同制作した際のデモ音声, 7秒間のみ

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オリジナル・バージョンは Another little piece of my life というタイトルがつけられ、アルバム The Works (1984) に収録予定だったものの、アーマ・フランクリンの楽曲 Piece of My Heart (1968) に酷似したメロディーラインが含まれていた*2ために著作権問題が発生し、収録を見送ったと囁かれています。*3(以下で両楽曲の、似ているとされているメロディーラインを比較して頂きたく思います。)

 

 Piece of My Heart, 0:50~ のメロディーライン

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 Let Me Live オリジナルバージョン, 0:02~ のメロディーライン

www.youtube.com

 

 

 

 

 和訳

1st

Why don't you take another little piece of my heart
Why don't you take it and break it
And tear it all apart

僕の心の欠片をもらっていってくれないか?
受け取って、壊して、木っ端微塵にしてほしいんだ

All I do is give
All you do is take

僕はいつもあげてばかりで
君はいつももらってばかり

Baby why don't you give me
A brand new start

なあ、僕の人生を白紙に戻してくれないかい?


So let me live (so let me live)
Let me live (leave me alone)

だから生きさせてくれ (生きさせてくれ)

まだ生きていたいんだ (僕に構わないでくれ)

Let me live, oh baby
And make a brand new start

生きさせてくれよ、なあ

そしてゼロからの再出発を果たすんだ

 

 

2nd

Why don't you take another little piece of my soul
Why don't you shape it and shake it 'til you're really in control

僕の魂の欠片をもらっていってくれないか?
本当に君のものになるまで、自分好みの形に変えてもいいし、好きなだけ揺さぶってくれればいい

All you do is take
And all I do is give

君はいつももらってばかりで
僕はいつもあげてばかりだ

All that I'm asking
Is a chance to live

僕はただただ、生きるチャンスが欲しいだけなのに

 

(So let me live) - so let me live

(Leave me alone) - let me live, let me live

Why don't you let me make a brand new start

(だから生きさせてくれ) まだ生きさせてくれ

(僕を放っておいてくれ) 生きさせてくれ、生きたいんだ

もう一度、ゼロからやり直しても構わないだろ?

 

 

And it's a long hard struggle
But you can always depend on me

長くて厳しい困難が待っているけど
君はいつだって僕を頼っていいんだよ

And if you're ever in trouble - hey
You know where I will be

君が苦難に直面したときは
必ず僕がいてあげるさ

 

3rd

Why don't you take another little piece of my life
Why don't you twist it, and turn it*4
And cut it like a knife

僕の人生の欠片を持っていってくれないか?
紆余曲折ってやつを経験させてやってくれたなら、あとはバラバラに切り刻んでくれていい

All you do is live
All I do is die

君には未来が待っているけど
僕を待つのはただただ「死」ばかり

Why can't we just be friends
Stop living a lie

もう嘘つきなんかやめにして、最後くらいは親友でいようぜ?

 

So let me live (so let me live)
Let me live (leave me alone)

だから生きさせてくれ (生きさせてくれ)
まだ生きていたいんだ (僕に構わないでくれ)

Please let me live (Why don't you live a little)
Oh yeah baby (Why don't you give a little love...?)

お願いだから生きさせてくれ (もう少し生きてみなよ)
Oh yeah baby (もう少し愛をおくれよ)

 

 

Let me live
Please let me live
Oh yeah baby, let me live
And make a brand new start ...........

 

 

 

ここで記載した情報は以下の情報源から入手しています。

Let Me Live (Wikipedia 日本版) 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%B4 (アクセス日:2019年2月15日)

Let Me Live (Wikipedia 英語版) https://en.wikipedia.org/wiki/Let_Me_Live (アクセス日:2019年2月15日)

Let Me live (Wikipedia スペイン版) https://es.wikipedia.org/wiki/Let_Me_Live (アクセス日:2019年2月15日)

 

*1:ベースのジョン・ディーコンは本人曰く"音痴"なため、ボーカルを担当しない決まりになっている。

*2:オマージュであるという考え方もできる。

*3:メキシコ・オランダで発売された Made in Heaven の初版では Let Me Live のオリジナル・バージョンが収録されたレコード・CDが流通した。

*4:"twists and turns"という名詞句は「(川の)うねり, (物事の)紆余曲折」を意味する。 歌詞では twist, turn は動詞で用いられているが、 it が another little piece of my life の代名詞であることを考慮に入れ、上記のような訳を採用した。すなわち、「僕の人生の欠片を君に預けたい。もう死んでしまう僕の代わりに、この欠片たちに人生の紆余曲折を体験させてやってくれないか?」という意味合いである。