大阪大学経済学研究科経済学専攻【大学院入試】
私事ですが、大阪大学経済学研究科経済学専攻の大学院入試を受験し、合格しました。
今回は、阪大経研院試の情報について記しています。
なお、僕が受験したのは経済学専攻で、経営学専攻でないため、経営学専攻の情報はわずかであることをご承知いただきたく思います。
なお、受験そのものの詳細については、以下の阪大経研のHPをご参照ください。
大阪大学経済学研究科 / 経済学部 入試情報
https://www.econ.osaka-u.ac.jp/admissions/g_notice.html
①試験情報
【筆記試験】
日時:2019 年 8 月 17 日(土)10時集合
試験時間:10:30~11:30(応用経済コース, 経済制度・事例分析コース の受験生)
10:30~12:30(経済学専攻経済学コース の受験生)
試験科目:ミクロ, マクロ, 確率・統計, 経済史, 経営史
※経済学専攻経済学コースは2科目選択, 経済学専攻その他のコースは1科目選択
【口頭試問】
日時:2019 年 8 月 31 日(土) 13:00~
試験場所:文法講義棟
試験時間:1人あたり10~15分ほどと思います。僕は15分強でした。
試験室:13部屋に分かれています。
②試験当日の雰囲気
2019年8月17日:筆記試験
筆記試験は10:30から開始で、2時間あります。他大学と比較して遅い時間からのスタートだと思います。
僕は10:00頃に会場に到着しましたが、会場はまだ施錠されており、建物内に入ることができませんでした。受験生は建物の外で待機していましたが、すでにその時点で40人ほどの受験生がいました。直感的にですが、7割程度は留学生なのでは(おそらく中国人)という印象を受けました*1。
ところで、事前に周知されていたのにも関わらず、いくつかの不正行為がありました。たとえば、持ち込みが許可されていないのに計算用紙を持ち込んだり、試験中にスマホのアラームが鳴ったり... その場でつまみ出されるということはなく、厳重注意で終わった様子でしたが、普通に失格にして欲しかったです。(不正行為者の精神を壊さないためにその場では注意にとどめ、試験終了後に不正行為者の答案を採点しない、という措置もあるのかもしれませんが…)
試験問題はミクロ・マクロを解きました。それぞれ3つの大問があって、
ミクロ:①2者2財の交換経済における超過需要の導出 ②(場合分けする問題) ③ワルラス均衡
マクロ:①用語解答 ②(失念) ③ソローモデル
手ごたえとして、ミクロは3割、マクロは7割かと思います。
ソローモデルは過去問2年分+今年度の本試でも出題されているので、必ず出ると思った方が良いです。
2019年8月31日:口述試験
筆記試験の結果は、口述試験1週間前に郵送されます。合格者には、筆記試験合格通知書と口述試験の試験会場・集合時間が書かれた用紙が送られてきます。
集合時間は12:15、試験開始時刻は13:00と、やはり他大学と比較してかなり遅い時間からの開始となりました。筆記試験合格者は、経済学専攻経営学専攻合わせて133名でした。過去の合格者数を見てみても、120名程度が最終的に合格しているので、口述試験は「やるだけ」感があります。
試験室は13に分かれていて、おそらく研究計画書の内容に基づいて、1部屋あたり7人~13人の受験生が振り分けられています。受験番号から察するに、5部屋は経営学用の部屋(口頭試問受験者は計38名)、残り8部屋は経済学用(口頭試問受験者は計95名)の部屋かと思います。
質問内容として覚えている限りでは
①阪大を志望した理由を教えてください。
②これまでの勉強と研究計画書を説明してください。
③研究計画書の中にある専門用語の意味を説明してください。
④この研究の意義は何ですか?
⑤時系列データは非定常トレンドで、取り扱いに注意が必要なことを理解しているか?
→ 「原データで回帰すると疑似相関が発生しうるので、例えば差分系列や対数差分系列に統計処理を施す必要があります。」という旨を回答。
⑥修士後の進路
でした。一応すべて回答しましたが、本当に散々な出来でした。
③阪大経研の院試勉強法
必ず過去問を取り寄せる
たかが送料は200~300円程度なので、ケチらずに必ず取り寄せましょう。過去問はその大学院の問題のおおよその難易度を把握するのに必ず役立ちます。
ミクロ
ミクロ経済学の演習書は、猪野他『ミクロ経済学演習』を必ずこれをやりましょう。昨年度はこれを完璧にこなせば、少なくとも7割は得点できると思います。しかし今年度に関しては、この問題集だけにかじりついていても③の問題は解けないかもしれません。僕は解けませんでした。不安な方は他の教科書補完されることをお勧めします。
マクロ
マクロ経済学は二神・堀『マクロ経済学』がおすすめです。これ一冊を完璧に叩き込めば、7~8割は得点できると思います。
英語
僕はTOEICとTOEFLのスコアを両方持っていますが、阪大にはTOEICのスコアを出しました。理由は単純で、TOEFL78点とTOEIC885点では後者の方が見栄えが良いと思ったからです。
TOEICはThe Japan Times の 精選問題集シリーズをやりました。僕はリスニング・リーディングそれぞれ3回分しかやっていませんが、10回全部に真剣に取り組めば900点以上は余裕で取れるのではないでしょうか。
TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング
TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リスニング
TOEIC(R)テスト新形式精選模試リーディング2
TOEIC(R)テスト新形式精選模試リスニング2
TOEFLは以下の公式ガイド、公式問題集が定石です。ただし、公式ガイドの問題は、本来のTOEFLテストと比較して簡単すぎるので、公式問題集だけを買うのでも構わないと思います。
The Official Guide to the TOEFL Test with DVD-ROM, Fifth Edition
Official TOEFL iBT Tests Volume 1, Third Edition
研究計画書
僕は5月頃から書き始めました。構成は、川口大司教授の『研究計画書の書き方』を参考にしました。
※元のページがリンク切れのため、web archive サイトより取得しました。
────────────────────────────────────────────
その他、ご質問等ありましたらコメント欄にお書きください。